公務員試験とは?

公務員試験とはどのようなものかについてご説明いたします。


公務員や公務員試験の概要・分類と、公務員試験に合格する方法について解説しています。

公務員になるために

皆さん方が公務員と聞いてイメージするのは、市役所や区役所の窓口にいる人たちでしょうか?それとも警察官や自衛官でしょうか?

もちろん彼らも公務員ですが、他にも多種多様な人々が公務員として働いています。

公務員になるには様々なルートがあります

たとえば国会議員は公務員ですが、選挙で当選してはじめてなることができます。裁判官も公務員です。裁判官になるには司法試験という試験を受ける必要があります。

公立学校の先生は?

そうです。公立校の教員も教員採用試験を受験してなれる公務員です。

公務員試験を受験してなる

しかし、国会議員や裁判官は「公務員試験」を受験してなることのできる公務員ではありません。教員採用試験は公務員試験と似通っていますが、それでもいわゆる「公務員試験」とは異なる仕組みの採用試験です。

全ての公務員が公務員試験を受験してなれるわけではないのです。

ただし大部分の公務員には、公務員試験を受験し合格すればなることができます。これからその「公務員試験」とはどのようなものかご説明いたします。

また、公務員や公務員試験について何も知らない方は「はじめての公務員試験」で易しく解説されてますので、ぜひ一読することをお勧めいたします。

公務員試験の基本的な形式

公務員試験は基本的に一次試験で「筆記試験」、二次試験で「面接試験」が実施されます。

筆記試験は「教養試験」「専門試験」「論文試験」の3つで構成されるのが一般的です。もっとも、筆記試験の中でも論文試験は、二次試験で面接とともに実施する場合があります。

なお、この3種類の試験が全ての公務員試験で課されるとは限りません。専門がなく教養のみの試験もあります。たとえば警察官の採用試験がこれに該当します。詳しい内容は「具体的な試験内容」でご説明いたします。

しかし専門試験が課されない公務員試験はあっても「面接なし」の公務員試験はありません。

公務員試験は資格試験と違い「就職試験」です。したがって人物試験はどの試験でも避けることができません。公務員試験は学力のみで合格不合格を決定する試験ではないのです。しかも面接試験では公務員特有の質問もされます。

試験種によっては人物試験の配点がとても高い職種もあります。公務員試験に最終合格するには、筆記試験を突破する学力だけでなく、人物試験までクリアできる総合的な能力が必須といえるでしょう。

ちなみに、冒頭でご紹介した市役所の職員や警察官は、「公務員試験を受験してなることのできる公務員」です。これから、その公務員試験の受験方法を順番にご説明いたします。

公務員試験の受験資格

そもそもどんな人が公務員試験を受けられるのでしょうか?

意外なことに「年齢制限」以外の要件を課さない試験がほとんどです。

確かに多くの試験は「大卒程度」や「高卒程度」と学歴を基準に試験のレベルを表示しています。しかし、あくまでも「〇〇程度」であって、必ずしも学歴を要件としているわけではありません。

実は大半の公務員試験は年齢要件にさえ合致していれば誰でも受験が可能なのです。

もちろん例外はあります。

大学卒業を要件とする試験も一部ありますし、それどころか「大学院卒」に限定した試験すらあります。国家公務員の総合職と裁判所職員の総合職には「院卒者」の区分があります。ただし、公務員試験全体でみればこれは例外中の例外です。

ほとんどの試験は学歴不問です

だから稀に大卒程度の試験に高卒の方が受かったりします。受験できるだけでなく、実力さえあれば実際に合格することも可能なのです。

場合によっては、高校卒業後フリーター歴が長く「高卒程度」の年齢上限に引っかかってしまい、やむなく受験した「大卒程度」で採用されることさえあります。

年齢上限はどれぐらい?

さきほど唯一の受験資格と呼べるものが「年齢」と申し上げましたが、受験可能年齢の上限は試験によって異なります。

公務員試験は何歳ぐらいまで受験できるのでしょうか?

受験可能年齢を大まかに分けると次のようになります。

高校卒業程度 20代前半まで
大学卒業程度 30代前半まで
社会人経験者 59歳まで

高卒程度の年齢上限は21歳前後に設定されることも多く、「上限が低い」とお感じの方も多いと思います。しかしこれには理由があります。

かつては高卒程度の公務員試験も年齢上限がもう少し高かった時代があります。しかし年齢上限を高く設定するとどうなるでしょう?

そうです。大卒の方が大量に受験し、高卒の方が弾き出されてしまいます。実際、当時はそういう事例が数多く見られました。

そこで高卒や専門学校卒の方への門戸を広げるため、大学をストレートで卒業しても受験できない年齢に上限を設定し、大卒者の受験をブロックしたのです。

レベル別に分けないで試験を実施している自治体では高卒程度の試験の上限が高いところもありますが、大卒程度と高卒程度に分けて実施している試験は概ねこれぐらいの年齢上限です。

また、地方公務員の大卒程度試験は自治体によって年齢上限が大きく異なるため、「公務員試験の年齢制限」で各自治体の年齢上限をご確認ください。

年齢以外の資格要件は?

公務員試験は職種別に実施されます。

国家・地方を問わず、ほぼどの役所でも実施している区分は「行政(事務)」区分です。この行政(事務)区分では、受験資格が年齢要件のみというのが一般的です。

しかし福祉系などの専門職では「社会福祉主事」の任用資格などを要求する試験がほとんどですし、資格免許職に至っては当該資格を有していない者は受験できません。

このように、受験する職種区分によって異なるということを覚えておきましょう。さらに、法律で規定する「欠格条項」に該当すると公務員にはなれません。

具体的な試験内容は


公務員には国家公務員と地方公務員がありますが、いずれの公務員になる場合も「公務員試験」を受験して合格する必要があります。なお、ここでは選挙で選出される公務員や司法試験に合格する必要のある公務員は除いて考えます。

国家公務員でも地方公務員でも、公務員として採用されるためには、先述したように原則として一次試験で「筆記試験」、二次試験以降で「人物試験」を受験し、最終合格を勝ち取る必要があります。繰り返しになりますが、公務員試験は就職試験である以上、筆記試験のみで合否が決まる試験はありません。

つまり、公務員になるためには筆記試験と人物試験両方の対策が必要ということになります。

一次試験(筆記試験)

まずは一次の筆記試験からご説明します。

大卒・上級レベルの一次試験は、「教養試験」「専門試験」の2種類の試験が課されることが多く、その出題分野も多岐に渡っています。形式面では、教養・専門どちらも五肢択一問題40題という形式で出題されるのが一般的です。

また、試験種や自治体により、一次の筆記で「専門記述」を課す試験もあります。さらに、小論文(教養論作文)を課す試験も多く、小論文の出来不出来が合否に大きく関わってきます(ただし、一次の合否に影響せず最終合否判定の際に採点される場合もある)。

これだけ聞くと嫌になってきますよね。
公務員になるのはやはり自分には無理なのではないか・・・と。

でもご安心ください。負担を減らす方法はあります。

大卒程度の試験でも、多肢選択型試験に専門試験がなく「教養試験のみ」で受験できる試験があります。代表的なのは公安系(警察官と消防官)公務員と市役所の職員採用です。受験勉強に割く時間が限られている方はこれらの試験も検討してみてください。

なお、筆記試験は試験種や自治体ごとに様々な特徴があるため、詳細は各試験種別のページでご確認ください。さらに「公務員の試験科目」で筆記試験で出題される科目を詳細に解説しています。

二次試験(人物試験)

次に二次の人物試験についてご説明します。

二次試験は「個別面接」「集団討論」「集団面接」「プレゼンテーション」等の方法で、その名の通り人物を判断するための試験です。このうち何種類の試験を課すかは試験種や自治体により異なります。

また、面接試験をニ次三次と2回実施し、二段階に分けて選抜する自治体もあります。(市役所試験では人物試験を3回4回と実施する市もあります。自治体によっては、最終面接が市長面接ということもあります)

さらに、人物試験に合格し最終合格できたとしても、試験によってはそれで即内定というわけではありません。国家公務員試験では官庁訪問や局面接、特別区では区面接などを通過してはじめて採用が確定します。

面接でどのようなことを訊かれるか気になる方は「公務員の面接質問集」をご覧ください。

さらに、面接試験を受験するには事前に面接カード(面接シート)を作成する必要があります。主な公務員試験の面接カードの内容を「公務員の面接カード」に掲載してますので参考になさってください。


公務員試験の準備と対策

では、公務員の筆記試験と面接試験を突破するために、どのような準備が必要で、効果的な対策とは何かを見ていくことにしましょう。

筆記試験に合格するための準備

まずは筆記試験を突破するのに必要な準備から見ていきます。

教養試験と専門試験と小論文のフルセット試験を受験する場合を想定してご説明します。

最初に標準的な準備期間を申し上げると、約「半年~1年」です。

もちろんこれより長い準備期間を取る方もいますし、もっと短い期間(3か月ぐらい)で合格する方もいらっしゃいます。

しかし標準的な受験勉強期間は、試験種問わず概ね半年以上1年以内です。

1日の学習時間は、平常時で3~4時間、直前期は8時間以上が一般的です。

教養試験と専門試験の双方が課される試験を受験する人は、教養と専門を均等に学習してください。各々に基準点と呼ばれる足切ラインが設けられているため、偏った学習は危険です。

面接試験に合格するための準備

筆記試験を通過したら、今度は面接試験が待ち構えています。

面接試験は筆記試験と異なり、人によって準備にかける時間が様々です。

何もしないでアッサリと面接試験を通過する人もいる反面、筆記試験の前から時間をかけて準備してもなかなか突破できない人もいます。

ただ、面接試験に少しでも苦手意識のある方は、必ず1度や2度は「模擬面接」を経験することをお勧めします。

面接は慣れの要素も大きく、何度か本番さながらのシミュレーションをしているうちに上達することも多いのです。最初から上手く話せる方はむしろ少数派です。

公務員試験対策として重要なこと

公務員試験に合格するためには、「筆記試験を突破する学力をつけること」そして「人物試験を突破できるよう面接の練習を積むこと」が必要です。

当たり前のようですが、公務員試験も基本が重要です。奇をてらった対策や、一足飛びに合格することが難しい試験です。

地道にコツコツ努力を積み重ねられる人が公務員に向いています。そういった特性を持つ人か試験を通して試しているといっていいでしょう。つまり、一次の筆記試験の段階から既に人物試験は始まっているともいえます。

しかし公務員受験において、地道な努力よりもっと重要なことがあります。

それは適切な受験先を選択するということです。

公務員試験日程一覧をご覧いただくとおわかりのように、公務員試験は年間通し全国で多数の試験が実施されています。

この中から自分に合った適切な受験先を選択し、効果的な「併願作戦」を立てた方が、勝利を手にし合格の栄冠へと近づきます。

しかも公務員試験は類を見ない「多科目型試験」です。公務員試験合格作戦ではそのあたりをさらに掘り下げて考察しています。

公務員試験の難易度は?

公務員の受験システムについてはお分かりいただけたかと思いますが、皆さんが気になるのは「はたして自分が合格できるのだろうか」という点だと思います。そこで公務員試験の難易度に触れておきたいと思います。

結論から先に申し上げると、公務員試験の難易度は様々です。高難度の試験もあれば、比較的楽に合格できる試験もあります。しかし、試験問題の難しさと合格り易さは必ずしも一致しません

高度な専門的知識を要する試験でも、倍率が2倍を切り、3人中2人合格する試験もあります。規模の大きな自治体の技術職はこの傾向が強めです。

反対に、マイナーな国家公務員や規模の小さな市役所だから受験者も少ないだろうと思っていると、他の試験より採用数が極端に少なく倍率が数十倍に達することもあります。

イメージによる決めつけは危険です

マニアックな国家公務員や規模の小さな自治体の試験を受験する場合は、それなりに倍率が高くなることを覚悟して受験を決意してください。

また、受験者が少ない試験は対策方法が確立されていないこともあります。次に述べるように試験問題の入手すら困難な場合もあります。

一般的にはメジャーな試験を受けるほうが、負担は重くても対策は立てやすいのです。

試験問題の入手方法

公務員試験の問題は、すべての試験種で公開されているわけではありません。

裁判所職員、東京都、特別区などの試験は、著作権が関連する文章理解の問題を除くとネットで入手することが可能です。公務員試験総合ガイドでも各試験種別のページに試験問題へのリンクを貼っています。

また、人事院が実施する国家公務員試験や警視庁や消防庁の試験については問題冊子の持ち帰りが可能です。また、人事院へ請求をし、過去の問題冊子を有料で購入することも可能です。

しかし地方公務員試験の問題は、東京都や特別区などを除くと原則非公開です。受験した人も問題冊子の持ち帰りができません。したがって出題内容も受験者の記憶に頼るしか知る術がないのです。

このような試験を受ける場合は、試験問題を見て自分で難易度を判断することさえ困難となります。

公務員試験は情報戦

昨今の公務員試験は情報戦の様相を呈しています。

複雑な公務員試験の仕組みを理解することもさることながら、細かな受験テクニックやタイムリーな情報を入手することがとても重要です。複数の受験先を検討している方などは、気付いたら出願期間が終わっていたということもあり得ます。

公務員試験総合ガイドでも入手可能な限りの情報を受験生の皆様にご提供しています。さらに公務員予備校などで受験テクニックを学ぶことも効果的です。

しかし、受験者が多く規模の大きな試験を受ける場合は書籍なども充実していますので、必ずしも予備校などで勉強法を習う必要はありません。書店で受験参考書と問題集を購入し、独学で合格された方もたくさんいらっしゃいます。

試験情報入手の重要性

公務員試験を受験する上での大きな問題点は、試験実施機関が多岐にわたり、情報が散逸していることが挙げられます。

筆記試験や面接試験を突破する技術も重要ですが、受験先の試験そのものに関する情報も大事です。試験日程だけでなく、合格率や出題者、採用数の推移や出題科目の変更。試験種の名称そのものや年齢上限が変更されることもあります。

予備校を利用される方も独学で対策する方も、常に最新の試験情報を入手することを心掛けてください。試験種ごとの詳細な情報は次の項目で各試験別にご紹介しています。各試験種ごとのページに行き、詳細な試験データをお読みください。

各種公務員試験情報

では、主な公務員試験をご紹介します。

公務員試験の大まかなイメージが掴めた方は、興味のある試験の該当ページで詳細をご確認ください。

また、各公務員の試験日程を一覧でご覧になりたい方は「公務員試験日程一覧」をご参照ください。


国家公務員試験

各国家公務員試験の概要は以下のページで詳しくご説明します。各試験種の内容を詳しくお知りになりたい方は該当ページを御覧ください。


地方公務員試験

各地方公務員試験の概要は以下のページで詳しくご説明します。各試験種の内容を詳しくお知りになりたい方は該当ページを御覧ください。


公安系公務員


社会人経験者採用



公務員に準ずる試験

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